- 2023.08.24
- 園長のつぶやき
「おばあちゃん、泣いてたね❣」~老人ホームでのふれあい~
コロナ禍でなかなか交流が叶わなかった老人ホーム(アルマ千寿)訪問を実現することができました。子ども達にとっては夏祭りに向けて一生懸命に取り組んだ和太鼓を披露できる楽しみもあったのだろうと思います。おじいちゃんおばあちゃんのために9人しかいない年長さんですが一人4~5個のひまわりのペンダントのプレゼントを一生懸命に作りました。それぞれの思いを込めて教師が準備したいくつかの素材を工夫して作ったものです。一人一人首にかけてあげると涙を流して「ありがとう」の言葉をくれる姿に子供たちの思いが届いていることを確信しました。 アルマ千寿の職員さんがとても素敵な手作り舞台を作ってくださいました。法被姿の子ども達が登場すると拍手と共に「うわ~、かわいいね。」「子どもってやっぱりいいね。」などのつぶやきや「太鼓がんばれよ~!」の大きな声でうちわを仰いで声をかけるおじいちゃん。手で顔を覆うって涙ながらに見てくださるおばあちゃんに子ども達は真剣なまなざしで太鼓をたたいている姿がとても印象的でした。 和太鼓の演奏を見てくださる姿やプレゼントを渡す姿を見ながら、看護部長さんと私は胸が熱くなる思いを伝え合っていました。 おじいちゃん、おばあちゃんから子ども達に手作りのお手玉を2個一人ずつ紙袋に入れたものとフェルトで作ったサッカーボールを数個プレゼントしてもらいました。おばあちゃんがお手玉をやって見せてれるのをじっと見入っていました。 実はこの日のもう一つの感動的な場面がありました。それは交流が終わって片付けを待っているときの控室での子ども達の会話です。 私が子ども達に「とっても良かったよ。」の声をかけたのをきっかけに子ども達同士でのいろんな会話が始まりました。 「ぼくがペンダントをかけたおばあちゃんぎゅってしてくれたよ。」 「〇〇くんのあげてたおばあちゃん泣いてたね。」 「太鼓たたいてるときも泣いてるおばあちゃんが見えたよ。」「わたしも、みた!」 「ぼくもペンダントあげたときにありがとうって何回もいってたよ。」 「寝ている(ベッドで)おじいちゃんにもあげたんだよ。」 「早く、サッカーボールであそびたいな。」 「園長先生、お手玉やってみて!」 などなど。 たまたま子ども達の控室に用意して頂いた部屋がまるで会議室のように子ども達だけでふれあいの体験からの盛り上がる会話の場となりました。そんな姿をそっと見守りながら、優しい心を育むためには実際の体験から湧きでてくる思いが大切だと実感しました。 和太鼓の音の響きはおじいちゃんおばあちゃんの心にも響いたようで、らいおん組さんと老人ホームの方々の感動はお互いの心に響き合ったようです。 自分たちの存在をこんなにも喜んでくれるお年寄りがいることや散歩に行くときなどに地域の人との挨拶だけのふれあいであっても様々な人とのかかわりができるような場を作っていくことが豊かな保育に繋がっていくことを改めて思いました。